有志が育てている茶畑で茶摘み!!

農家さんが何らかの事情で継続できなくなった茶畑。
そのことを聞いた有志が引き継いで、10年間育てている茶畑の茶摘みに参加しました。

この時期、参加したいイベントが重なることが多いです。
5/10(日)も、「お茶の歴史講義」と「茶摘み」が重なり、どっちを優先するか、悩みました。
でも、
・この時期しかない!
・知らない茶畑!
・どんなメンバーが集まるか分からない!
・どっちがドキドキする?
を基準に茶摘みを選択したのですが。

行ってみると、全く知らない人たちばかりでもなく、というか日本茶インストラクター二次試験の面接官のHさんがいらっしゃってビックリしました。
どういう繋がりがあるか、ホント行ってみるまでは分かりませんねぇ。

さて、手摘みと一言で言っても、やり方は様々です。
・煎茶の品評会用なら、一芯ニ葉とか場合によっては一芯一葉。
・煎茶ではありませんが高級烏龍茶である東方美人を作る場合なら、ウンカで葉の色が一部黄色から茶色になってるものを選んで摘みます。
・阿波晩茶の場合は、針金を軍手に巻いたもので、茶の木を枝だけにするような摘み方。
・玉露園の場合は、折り摘みとかしごき摘みをするそうな。

で、今回伺ったのは、玉露園でした。前日は、雨が時折降る中、煎茶園の茶摘みを行ったそうです。

実は、玉露園というのは、全くの想定外。
というのも、これまで玉露園の手摘みを機械に掛けるだけ摘むというのには参加したことがなかったんです。
体験で、玉露園の手摘みはしたことがあったのですが。

茶摘みをする前に、Hさんから摘み方の説明がありました。
「折り摘み」でも「しごき摘み」でも良いとのこと。

今回の茶摘みに参加するに当たって、事前に持ち物の連絡がありました。
その中で不審な項目が…
「小さなイスがあると便利!」
手頃な大きさがなく持って行かなかったのですが、なぜ?
今まで茶摘みでイスなんて使ったことなかったのに、なぜ?
という状態でした。

そいで、到着して合点いたしました。
玉露の茶摘みはイスが必要!!!です。

なんで?って、茶の木の株の下から、摘んでいく。
一つの株を下から摘むので、同じ場所にいる時間が長く、背の低いところを摘む時間が長いので、イスに座って茶摘みをしないと出来ない。

そういえば、江戸時代だと思うのですが、巻物で株仕立ての覆下茶園でイスに座って茶摘みをしている絵を見たことがありました。
今回、ホントにイスが必要なことを痛感しました。

無心に摘んでいて、ふと、なんで下から摘むのかなぁ?と考えていたら、何となく次の考えが浮かびました。
茶の木は、一つの株からどんどん枝が分かれて、その枝の先の芽と葉っぱを摘みます。
で、下から摘んでゆくと、どこら辺りに株があって、枝分かれしていてというのが上からやるより遣りやすい。
たぶん、そういうこともあるんだと思います。
(この記事を書くのに頂いた摘み方の紙を見返していたら、下から摘むのは、小さな芽を摘み残すからって書いてありました)

10時頃から16時すぎくらいまで、昼食や休憩を所々挟んで、ずーっと摘んでました。気持ちよかったです。

摘んだお茶の葉は工場に運んで製茶され、来週、袋詰めやら希望者への発送等の作業をするとのこと。
茶摘み終了後、駅まで車で送っていただいたのですが、その道中、幹事の方から色々お話を伺いました。
・この茶畑は、農薬は使っていない。
・肥料は年4回ほど、油粕などをやっている。そうしないと、お茶が育たない。
・農薬をやらないので虫が付くので、芋虫などを捕る作業を行う。
・茶摘みの時には、どうしても人手がいるが、人数が足りていない。今回も、摘み残しがあった。
(総勢30人弱で、自分の周りを懸命に摘んでいたので僕は摘み残しが合ったことに気が付きませんでした)
・製茶の機械も茶摘みで集まる葉っぱの量がそれほど多くないので、小さな量を製茶出来る茶農家さんにお願いして加工して貰っている。
・茶農家さんの高齢化で辛どいから製茶は困難と断られようとしたけれども、有志で工場の掃除に行って、今回も製茶をお願いすることが出来た!

お話を伺う中で、何とか自分たちで育てている茶畑を継続していきたい!という熱意が伝わってきました。

駅に着き、大阪に帰ってきて、分かったことがあります。
先週の煎茶の茶摘みでは、手の甲を日焼けして、ヒリヒリしました。
今週の玉露の茶摘みは、寒冷紗の下で日差しが遮られて日焼けがなく、その面では楽だったのですが、茶摘みで酷使した右手人差し指の第一関節辺りが擦れてタコができそうです。
長時間茶摘みをすると、こんな事にもなるんですね。

振り返ってみると、現地に行くまでは分からないことばかり。
でも行くことによって知ったこと、より疑問が深まったこともあります。
記録も残しておかないと忘れるだけなので、とりあえず書き出しました。

おしまい。

よかったら、お茶摘み体験、お茶づくり体験の前に、ちょっとお伝えしたいこと もご覧ください。

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