宇治茶「本ずづくりプロジェクト」の二回目「ヨシ刈り体験」(1)

宇治茶、本ずづくりプロジェクトの全四回の2回目、滋賀県近江八幡市白王町の権座で開催されたヨシ刈り体験(2013年1月13日)に行ってきました。
本ずづくりプロジェクトでは、玉露もしくは抹茶用の茶の木を覆うのに使う「本ず」を作るという、中々ほかでは体験できない面白い企画です。

2012年11月10日と11日に一回目のセミナー&お茶飲み体験がありました。
(その時にレポート、よかったら宇治茶「本ずづくりプロジェクト」の一回目「お茶のセミナー」をどうぞ。)
座学と体験を一緒に行うというのが、このプロジェクトの特徴のようです。
私は一日目に参加して、宇治平等院付近の発展の歴史や茶栽培の現状のセミナーの後、玉露を淹れて飲みました。
二日目は、玉露ではなく抹茶を飲んだそうです。

さて、今回は京都の玉露や抹茶を作る時に使う本ずの原料、ヨシの生育地の近江八幡の権座にやってきました。
事前に調べたところ、権座は、水郷といって、琵琶湖の中に小さな島があって、そこで酒米やヨシを育てているそうな。島には、舟でわたります。

(なんか楽しそうでしょ、でもヨシ刈りは体力要りそうですよね)

10時JR近江八幡駅に集合。バスで白王町の集会所に移動しました。
大部屋一つにみんなが入ったので、そこで参加者どおしで、ご対面。

で、初っぱなにショックなことが。知り合いが思ったより多かった…
この人と会ったときはお茶じゃなくてお茶請けのお菓子、松露を出したっけ。
あっ、この人は和紅茶の茶話会の最初の最初に参加してくれたっけ。
そいで、この人は橋本素子先生の歴史講座、蒲生四丁目のマンション一階の時に参加したらしい。ということは、大荷物で参加してしまった時か…
これまでやってきた色々なことが思い浮かんで、思ったことは。
今日は「何も持っていないし、そんなことせんとこ」。

少しブルーになりながらも、時間は過ぎ、本日のスケジュールの説明がありました。
午前は、舟で移動して、一時間くらいヨシ刈り。
集会所に戻ってきて、食事。
午後からは、セミナー。

地元のNPOの副理事長さんから、次のような説明がありました。

ヨシ刈りは、鎌でヨシを刈ります。
軍手、鎌、カイロを用意しました。(全部、新品!どうも有り難うございました)
ヨシの生えているところに移動するときに、舟で移動します。
くれぐれも、舟で移動するときに手を挟んだり、ヨシ刈りの時に鎌で怪我したりしないよう、くれぐれも注意してください。
マスクも用意しているので、使いたい方は言って下さい。
刈ったヨシは、固く鋭いので刺さることがあります。
歩くときは、摺り足でヨシが刺さらないように注意して下さい。

説明が終わって、舟に乗り込みます!

(ほとんどの方が濡れても大丈夫な長靴などを掃かれていました。スニーカーは私ぐらい)

20名ほどが一つの舟に、もう一つの小さめの舟に10名ほどが乗りました。
空は曇っているけれど、雲の切れ間から青いところが見えます。
雨は降りそうになく、風もほとんどありませんでした。

舟を操舵して下さった地元の方も
「今日来た人は、良かったね。風もないし」
と仰られていました。

琵琶湖の広い湖へ舟は乗り出した後、しばらくして右に移動して、狭い河口のような入り口を抜けて、小さな島が見えてきました。
小さな島の船着き場への目印に赤いポールが湖の中に立ててあります。
それを目印に船着き場に到着しました。

下船して、見渡すとヨシばかり。
どこに通路があるのか?と行うくらいにヨシが生い茂っています。
先に下船した人は、奥に進んだようで、ついて行きました。
船着き場から10メートルくらい進んだときに、先頭でヨシ刈りのやり方の説明と鎌の配布が行われました。真新しい鎌はよく切れそうです。
鎌で人を傷つけないようにある程度、他の人と離れてヨシを刈ります。
ヨシは根っこの部分から刈るようにします。
今回の場所は、ヨシ刈り体験ということもあって、手入れが行き届いていない場所だそうで、低いところは雑草が生えており、そこを天に突き抜けるようにヨシが伸びていました。

ヨシを刈りながら、地元の方の声に聞き耳を立てて、情報収集。
色のくすんだのは、去年のもの。
ここのヨシは手入れをしているところより低い。
刈ったヨシは、一カ所にまとめて、縄で束にする。
など。

集会所で説明された摺り足がよく分からなかったのですが、下手に高いところから足を降ろしてしまうと、上を向いている刈ったヨシが刺さるのが、想定できました。
なので、ヨシを斜めから靴の底で倒すように踏みならして進みました。
それでも背の高いヨシを狙って刈るようにしていたので、低いヨシがたまに顔に当たったり、防寒の上着を突き破るのではないかと思うくらいに刺さったりしました。
事前説明の通り、ヨシ刈りは、少し危険なようです。
あまり勢いよくヨシ刈りだけに夢中になると、服が破れたり、ケガをしていたかもしれません。

時間がたち、作業終了の声が聞こえてきました。

周りを見ると、通路が広がっています。
(すごい、みんなよく刈ったなぁ)

奥が見えるようになって、その先に広場が見えました。
そのど真ん中に見慣れないものが高くそびえ立っていました。
束ねられたヨシが円錐状に集められたものでした。
(小学校にあったトーテムポールみたい)

この状態でヨシを乾かすのだそうです。
ここでみんなで記念撮影。
(汗だくになってしまったので、上着のジッパーをおろして、マフラーを一旦はずしたら、少し涼しくなって気持ちよかった)

島の船着き場に戻り、再び乗船。
舟が出発して、大きな琵琶湖にでると、空が開けて見えました。

「わぁ!!」
歓声が。そこにはパラシュートやプロペラ付きのグライダーが飛んでいました。
ヨシばっかりを見ていた目には、それは新鮮に映りました。

穏やかな天気の中、集会所近くの船着き場に戻ってきました。
私の乗った舟は先について、下船しました。

もう一つの舟が、船着き場に戻ろうと近づいてくるのですが、様子が変です。
操舵していない地元の方が、「そっちちゃう。もっとこっち」と言っています。
操舵している方は舟の一番後方にいて「沢山乗ってて前が見えん」と言ってます。
舟は船着き場にもっと近づいても、変な向きで入ってきたので、そのままでは下船できない感じ。
私は何かできることがないかと、よく分からないけれど、桟橋に近づいたところ、
「ロープでいこ!」
ということになって、ロープが飛んできたのでつかんで、降りれるところまで引っ張ってみました。
それで、遅れて帰ってきた舟の皆さんも無事下船。

そんなこんなで、午前終了。
お昼ご飯となりました。

「本ずづくりプロジェクト」の「ヨシ刈り体験」(2)に続く。

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