機械で作るほうじ茶と手炒りのほうじ茶はどう違うのだろう?(2022.1ほうじ茶、後編)

日本茶を少しずつ見ていく試み。
2022年1月は「ほうじ茶」です。

前回は、売っているほうじ茶を比較しながら、どう違っているのだろうというのを見てみました。

今回見ていこうとしてるのは、心向樹さんのほうじ茶たちです。日本茶AWARD2021 TOKYO TEA PARTYで入手しました。

数が多いので、一度に比較するのは骨が折れそうです。

とりあえず、炒り加減の異なるほうじ茶を開けてみることにしました。
最初に懐紙を二つ折りにして、ほうじ茶を出そうとしたらテーブルに散らばりそうだったので、箱を折ってみました。

しばらく考えて、先日ほうじ茶の炒り加減の違うのを手炒りしたので、色を比べつつ似た炒り加減で並べてみると、

手炒りは、浅炒りと中炒りらへんになりそうです。

左の機械炒りと自分の手炒りを比べてみることにしました。

お茶っ葉の色が比較的似ていたからか、水色は似た感じになりました。

テーブルが市松模様で色が違うので水色を比較しにくいので、一工夫。

少しだけ比較しやすくなりました。

青さのなかに香ばしさがあるのが右で、甘さのなかに香ばしさがあるのが左、という感じでした。

深炒りのほうじ茶と手炒りの深煎りほうじ茶も比較したいので、追加で炒り炒り。

なんとか、手入りで中炒りと深炒りの間くらいのができたようです。

中炒りの比較を開始!

今度は、ひと目で水色の違いが出ました。

飲んでみると香ばしい中の旨みの左と、爽やかさのあるなかの軽い苦味の右と。
右の手炒りは、微かな焦げを感じます。

日本の緑茶の製茶は、今ではほどんど機械で行われています。手で揉んでいたのを機械に真似させたのだそう。
では、ほうじ茶の場合は手で炒るのと、機械で炒るのでは加工後に出来上がったほうじ茶は同じものができるのでしょうか?

お茶っ葉に対して焙じ加減を均一にするのは、手炒りだとムラができるので難しいと感じました。

飲んでみて思ったのは、手炒りのムラがあることで味わいに幅ができたようです。
より味わいの深みは手炒りの方が出来やすい気がしました。なんとなく。

最後の深炒りです。
左の方に鼻を近づけると、なんとなく炭のような香りがします。
右の方に鼻を近づけると、複雑で香ばしいほうじ茶の香りがします。

水色はかなり似ています。

香ばしい中に旨みの左と、香りだかく苦み渋みが含まれて複雑なのが右。

深炒りの比較で、手炒りのムラがあることで味わいに幅ができたという仮説は当たっていると思いました。より味わいの深みは手炒りの方が出来やすい。

和紅茶ほうじが残っているので、手持ちの和紅茶を焙烙(ほうろく)で炒ってみることに。

記憶が確かなら、和紅茶を焙じたことはなかったような。
少なくとも杵築紅茶の「べにたちわせ」では初めてです。

べにたちわせの焙烙でほうじ茶を炒って分かったのは、どういう香りが出ているところで炒るのを止めるかの基準がわからない❗️

緑茶を炒る場合なら、たくさん経験しているので漂ってくる香りで判断して、この程度で止めるかというのがわかります。
紅茶の茶っぱは、黒いので炒り加減を色から判断することも難しい。

大体香りが変わったくらいで炒るのをやめてみました。

炒った「べにたちわせ紅茶」のほうじ茶を緑の小皿に入れて、心向樹さんの和紅茶ほうじを懐紙に広げました。

和紅茶ほうじがとっても香りが良いんです。
偉く爽やかジャスミン系の香りがします。
袋にかいてないけれど、印雜系の気配を感じます。

和紅茶ほうじを飲んでみると、もとの紅茶の香味をまろやかにした味わいっぽい。
もとの紅茶を飲んでみたくなりました。

手炒りのべにたちわせ紅茶のほうじ茶を飲んでみると、香ばしさの中にほんわり紅茶がいる感じ。よくわかりません😅

もとの紅茶と、この焙じたのを1:1にしたので飲んでみたら、どう感じるだろう🤔という疑問が湧いてきました。後日の課題にしたいと思います。

べにたちわせ紅茶のほうじ茶を飲んでいて思ったのは、香ばしさはあたたかみを感じさせてくれる香りかも

心向樹さんのほうじ茶飲み比べセットには、華乃香ほうじが残っています。
実は、このほうじ茶は日本茶AWARD 2021にトリプルスリーと名付けられてエントリーされて、見事プラチナ賞を受賞されたんです。TOKYO TEA PARTYのティーテイスティングパーティーのJINでいただきました。

冷めて飲んだ時に香りが良くて、それがめちゃくちゃ印象深かったです。
折角なので、後日飲み方をゆっくり考えたいと思います。

結果的に機械と手炒りを少しずつ違いを発見しつつ、和紅茶のほうじ茶では未知の領域に入ることができたようです。

手炒りに使えるお茶って、いろんなのでできそうですね。
美味しくなるかどうかはやってみないとわかりませんけど。

とりあえず、ほうじ茶いろいろみてきて、少なくとも比較すればちょっとずつ理解できるような気がしました。

ご参考まで。

※ほかにも、ざっくばらんにお茶について知りたい方は、
 本サイトのカテゴリー:お茶のタイトル一覧をご覧ください。

日本茶、紅茶、まなび合いの茶の間

種ノ箱は、お茶のセミナールーム、昭和三十年代に建てられた木造長屋の茶の間です…

※店(種ノ箱)のInstagram↓です

※店(種ノ箱)のtwitter↓で、お茶のことを気ままにつぶやいています
種ノ箱(tane no hako)のtwitter(@tanenohako)

お茶のイベント in 種ノ箱

  • 紅茶といえば、回転茶こし(ひっくり返す前に知っておきたい使い方の説明付き)

種ノ箱~日本茶、紅茶、まなび合いの茶の間~
種ノ箱

ムジカティーをひもといて&むすぶ

このページのQRコードは最下部にあります。